墨田区役所勤務は地図を持て
2020年2月,Part1
墨田区役所での住民票取得
横浜から東京都墨田区に引っ越したのが、1月27日。
その日から5日後に免許証の住所変更をした。場所は本所警察署だった。
家は都営新宿線森下駅から徒歩5分のところにあり、そこから自転車でまず墨田区役所に住民票を取りに行った。
自宅から墨田区役所まで3kmほどある。冬風に煽られてかなり遠く感じたが、ビルの谷間からみえる東京スカイツリーに胸を踊らせながらの走行だったので、そう遠くには感じられなかった。
墨田区役所につき、自転車から降りようとハンドルから手を話そうとした瞬間、手が悴んでいるのに気がついた。これからの旅は険しくなるだろうとおもった。
館内に入り、書類を書き、待つこと15分。住民票を取得した。
区役所の作業員は白いデスクトップ型パソコンに目を擦り付けるようにして、何か作業に取り組んでいた。それぞれの作業で、一体感は感じられなかった。
区役所で使われているパソコンは全て、富士通の製品だった。それ以上の一体感はない。
住民票を取得した後に、作業員に近くの警察署の場所を訪ねた。本所警察署が近いということで、私はそこに行くことに決めた。先述の通り、私は墨田区の新参者だった為に、地理が全く掴めていなかった。そこで、作業員に区役所から警察署までの道のりについて訪ねた。
作業員はいきなり席を外して、他の職員と何やら相談を開始した。他の職員がまた他の職員へと相談していた。私は何かと思ったが、初めて作業員諸君の一体感が垣間見れた事にウキウキした。
一寸すると、私の担当の作業員が帰ってきて、ここに地図はないと言った。区役所の作業員のデスクに地図が一つも無いことには、驚いた。話の肴がまた一つ増えた。
私は二つの意味で、ありがとうと一言感謝の気持ちを述べた。
すかさずヤフーマップで現在位置から本所警察署までを調べた。ここからそう遠くはないことがわかった。場所は錦糸町駅近くにある。錦糸町なら分かるので、とりあえずその方向に向かった。
大きい通りを出て、四ツ目通りをまっすぐ。3回復唱して、東京スカイツリーを尻目に、自転車を走らせた。
区役所と警察署の位置が分かれば、墨田区はこっちのものだ。墨田区という新天地が昨日より身近に感じられる。意気揚々に、冬風に煽られながら、警察署に向かった。
時々、ホコリが目に入り、鼻水も出てきた。花粉症の予感は春の予感だ。新しい春の訪れを他人よりも先に感じながら、墨田区を走った。